堤剛チェロリサイタル
明けましておめでとうございます。
昨年末、12/25に堤剛先生のリサイタルを聴きに、トーキョーコンサーツラボに行ってまいりました。プログラムは、8名の邦人作曲家によるチェロ無伴奏、もしくはチェロとピアノによる作品。ピアノは土田英介先生。
撮影:東京コンサーツ。山澤は譜面台の向こう側、最前列に写り込んでいます
一曲目は三善晃作曲のC6Hという無伴奏作品。以前から存在は知っていたのですが、出版、音源化されておらず演奏を聴くのは初めて。C6Hは星間分子の発見に由来するタイトルだとか。旋法を用いて書かれていて、とても優しい響き。
細川俊夫さんの作品の無伴奏曲、「線II」は割と演奏機会が多いですね。僕もマインドツリーの2回目で取り上げました。
この曲と、三善、新実作品は1987年のサントリーホールオープニングコンサートで、堤さんによって初演されました。
細川さんが「堤さんは座頭市みたいな人だ」とコメントしているのですが、そんな座頭市堤さんを想定して書かれた線IIは、ピンと張り詰めた空気の中、さっと刀を抜いて相手を斬る、、というような雰囲気があります 笑
新実徳英さんの無伴奏曲「横豎(おうじゅ)」は荒々しい、無骨な感じのエネルギーがあります。堤さんの演奏はオリジナル版の長い方のバージョンでしたが、短いバージョン(安田謙一郎さんが収録している)もあるそうです(作曲者談)
黛敏郎作曲文楽で前半終了。後半はピアノとの二重奏が演奏されました。
後半一曲目は松村禎三作曲の「肖像」
サントリーホール会長だった佐治敬三さんの追悼に捧げられた作品。最後の方の三和音が印象的。
一柳慧の「コズミック・ハーモニー」
一柳さんは高校の頃から好きな作曲家。あと名前が同じ慧なので勝手に親近感をおぼえる 笑
(自分は"けい"、一柳さんは"とし")
学生の時、コンクールの課題として演奏した時には感じていなかったのですが、今回の演奏を聴いてとても生命力に満ち溢れた作品であることに気が付きました。
湯浅譲二さんの「内触覚的宇宙IV」
この曲は何度か演奏したことがあり、湯浅さんにも聴いて頂きました。
この曲を作曲している時期に奥様が具合を悪くされたそうで、その心情が曲に投影されていると思います。特に後半で感情に訴えかけるような曲調になります。
武満徹作曲の「オリオン」
この曲が、今回の実演で聴いて最も印象が変わった曲です。この曲はピアノの和声にチェロが乗っかっていくようなイメージだったのですが、そうではなくチェロがリードする、あるいはチェロのエネルギーによってピアノの和声が変化していくような印象を受けました。濃い曲だったのですね、、
アンコールに一柳慧さんの限りなき湧水(ピアノソロ)、バッハの無伴奏チェロ組曲第3番プレリュードが演奏されて、超人的なリサイタルは終演。
今回の堤剛さんのリサイタルに対抗して(?)2/26(金)に邦人作曲家の作品を集めたプログラムでリサイタルを催します。
このリサイタルについては、このウェブサイト上で少しずつブログをアップしていく予定です。
湯浅譲二
ローカス・オン・コロンビズ・チャコーナ
内触覚的宇宙IV
一柳 慧
プレリュード
コズミックハーモニー
細川俊夫
線II
リート III
西村 朗
悲歌
リチュアル
武満 徹
翼(寺嶋陸也編曲による無伴奏チェロ版)
オリオン
ピアノ:鳥羽亜矢子
2021/2/26(金)19:00開演(18:15開場)
トーキョーコンサーツ・ラボ 東京都新宿区西早稲田2-3-18
チケット 一般3,500円 学生2,500円(当日各500円増し)
発売日等の詳細情報は決定次第、山澤慧オフィシャルウェブサイトおよび東京コンサーツウェブサイトにて発表します。
お問合せ:東京コンサーツ 03(3200)9755 (平日11:00 – 16:00)
主催 山澤慧
制作協力 東京コンサーツ
0コメント