踊りたい気分

高橋宏治くんについて。

彼の作品をはじめて演奏したのは、およそ10年前の2009年です。お互い藝大生でした。

その後、多くの作品初演を行ってきたり、音楽集団"渦々"という四国出身メンバーを中心にしたグループ(彼は徳島出身、僕は東京町田市出身ですが混ぜてもらってます)で四国ツアーをしたり、と多くの交流がありました
音楽集団"渦々"の写真。撮影があるのを忘れてたので寝グセ
無伴奏チェロのための"Melody"(2015)マインドツリーの1回目で演奏。


彼は映像作家としても活動しています。2017年には福士則夫先生が1つの作品(2017年マインドツリーで初演した無伴奏チェロのための「Kang・Chen」)を書き上げるまで、を追ったドキュメント作品を撮っています。

彼の作った音楽と映像のための作品も多く公開されてます。
彼の作風を一言で言うとシンプルだと思います(僕の中では変化球よりも速球派のイメージ)。
バッハの5番というのは他の組曲より複雑というか入り組んでいるので、この組曲の前に彼の新作を置いてみよう、と決めました。
《踊りたい気分》
"Feel like dancing"
バッハの無伴奏チェロ組曲第5番は、前奏曲といくつかの舞曲から構成されています。すでに前奏曲がある作品に、さらに前奏のような音楽を足すとなると、舞曲でダンスすることを期待している人からすれば、さらにじらされることになります。よって、「早く踊りたくてたまらない!」という気分を押し出した作品にしました。
第5番は、スコルダトゥーラ(特殊調弦)によって演奏されることを前提として書かれているため、本作もそれと同じ調弦で演奏されます。(作曲者プログラムノート)


スコルダトゥーラ(一番高い弦、A線を全音下げる)ですが、楽譜上は実音で書かれてます。実際演奏するために自分でポジション書き直したりしてます。
新作の中で、最も自然な流れでバッハに入るように書かれているように感じます。
リハーサルではテンポ感(もっと速く!)とクライマックスの音量(もっと強く!)の指摘を受けました。

どの委嘱作品も気合十分で書かれていて、体力的にはかなりキツかった、と西村朗さんにお話したら「自業自得だね」と返されました。オンエアされるかしら
4/19(日)朝は、久保哲朗、向井航、高橋宏治作品とバッハのプレリュードが放送されます

4月19日(日) 午前8時10分~ 午前9時00分
NHK FM
現代の音楽 最近の公演から ▽山澤慧チェロ・リサイタル(1)
西村朗,山澤慧

「空間における連続性の唯一の形態」
久保哲朗:作曲
(チェロ)山澤慧
(6分10秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 から プレリュード」
バッハ:作曲
(チェロ)山澤慧
(2分45秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

「ラス・メニーナスによる」
向井航:作曲
(チェロ)山澤慧
(7分25秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

「無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009 から プレリュード」
バッハ:作曲
(チェロ)山澤慧
(3分15秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

「踊りたい気分」
高橋宏治:作曲
(チェロ)山澤慧
(4分40秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

「無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011 から プレリュード」
バッハ:作曲
(チェロ)山澤慧
(6分05秒)
~2020年2月18日 東京オペラシティリサイタルホール~

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