ラス・メニーナスによる

向井航作品の紹介。
彼は藝大に入学してきた時の名前のインパクトが凄かったです(某日本最大級チェリストと同姓同名)
彼の作品を初めて聴いたのは2015年のモーニングコンサートでした。この回僕は降り番だったので客席で聴いていたのですが、最後の1分間ぐらいでそれまでの展開を無視した(ように僕には聴こえた)どんちゃん騒ぎがすごく印象的だったのを覚えています。この時から、彼のイメージは「破天荒」です。
2016年の藝大の新卒業生紹介演奏会で彼のオーケストラ作品「極彩色 -Prinsessegade, 1440」を弾く機会があり、その色彩感と、やっぱりややカオティックな展開がとても魅力的でした。

その後は芥川作曲賞で同曲を再演したり、僕のフランクフルト留学中には、ベルリンで行われたメンデルスゾーン全ドイツ音楽大学コンクール作曲部門で彼の作品を演奏(ソプラノ、チェロ、テープのための)するなど、多くの交流がありました。


彼はフランクフルト近くのマンハイムで勉強しています。

↓ホームページ

2019年の無伴奏チェロリサイタル「マインドツリー」では彼の新作「ひかり」を初演しました。

初演後

Las Meninas
ラス・メニーナスによる

スペイン・バルセロナにあるピカソ美術館には、1957年にパブロ・ピカソによって描かれた58枚に及ぶ連作、『ラス・メニーナス』(Las Meninas)が展示されている。この作品は、スペインの画家ディエゴ・ベラスケスによって制作された『ラス・メニーナス』に基づく人物像や構図をそのままに、キュビズムの手法によって、様々な角度、視点から合成、再構築されている。
彼が、ラス・メニーナスにて行ったように、私は、無伴奏チェロ組曲第3番のプレリュードを題材にオマージュを試みた。この作品には、プレリュード以外にも私が過去に書いた作品など、様々なフラグメントを介入させ、あえてその空間を分断させることで、その空間が持つ意味や存在をひっくり返し、新たな関係性を生み出す。(作曲者プログラムノート)

六曲の新作の中で、最もバッハのプレリュード(3番)を意識した作品です。リハーサルではかなり荒い部分と、愛らしい部分の対比を大切にしてほしい、という点が重要視されました。

ちなみにバッハボウ(4弦同時に弾ける弓)が曲の中間まで使用されます。

本当はアタッカでバッハのプレリュードに入りたかったのだけど、向井作品演奏後疲れすぎて休んでしまったのは内緒


放送は4/19(日)8:10  NHK FM 現代の音楽にて


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